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女「今日はどんな事件があったの?」 ⑦

女「今日はどんな事件があったの?」 ① 
女「今日はどんな事件があったの?」 ② 
女「今日はどんな事件があったの?」 ③
女「今日はどんな事件があったの?」 ④
女「今日はどんな事件があったの?」 ⑤
女「今日はどんな事件があったの?」 ⑥  の続きです。


ウミガメのスープのSS形式バージョンです。
一応出題編と解答編に分けて投下します。
適当に楽しんでください。
知ってる人はニヤニヤ(゜∀゜)しててください。


ウミガメのスープスレ、ウミガメサイト、友人の出してくれた問題、推理小説などから出していきます



 558 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/09/29(月) 19:30:07 ID:Ar/uTquM [1/17]

【出題編:おじいちゃんはサッカー上手】



女「そういえば所長、この事務所にテレビは置かないんですか?」

男「んー」

女「ニュースとか見ないと時代の流れについていけないんじゃないですか?」

男「んー」

女「ちょっと、聞いてます?」

男「誰か依頼人が使わなくなったテレビを置いてってくれないかなー」

女「修理業者じゃないんだから……」

女「お金の問題ってことですか?」

男「まあ、ね」



 559 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/09/29(月) 19:36:21 ID:Ar/uTquM [2/17]

男「どうして? なにか見たいテレビでもあるの?」

女「いや、ほら、オリンピックとか、ワールドカップとか、盛り上がる大会を見たいじゃないですか」

男「甲子園とか?」

女「そうそう、甲子園とか」

男「大相撲とか?」

女「それは……ちょっと違います」

男「あそう」

女「所長もスポーツとか見たらいいのに」

男「スポーツねえ」



 560 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/09/29(月) 19:42:05 ID:Ar/uTquM [3/17]

男「そういえば、サッカーは好きなの?」

女「あ、ええ、人並みに」

男「サッカーが上手なおじいさんの話をしようか」

女「はあ、昔話かなんかですか?」

男「ちょっと変な話だよ」

男「ある公園で、サッカーをしているおじいさんと若い母親がいた」

男「たぶん親子、あるいは義理の親子だろうと推測される」

女「はあ」



 561 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/09/29(月) 19:52:59 ID:Ar/uTquM [4/17]

男「その二人は休日になると、公園に出向いてきてはボールを蹴りあっている」

男「今までそんなに見かけなかったのに、急に頻度が増えたというんだ」

女「はあ」

男「しかも実は、その『おじいさん』は変装で、本当は若い母親の旦那だったんだ」

女「はあ?」

男「つまり、夫婦で『老人と若い母親』を演じ、サッカーをしていたというんだな」

女「なんか変な話ですね」

男「さて、その二人は一体何の目的があってそんなことをしていたのだろうか」



 562 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/09/29(月) 19:59:40 ID:Ar/uTquM [5/17]

女「んーよく状況が呑み込めませんね」

女「おじいさんの変装をしていることに、なにか意味があるんですか?」

男「ああ、もちろん」

女「それは誰かからバレないためですか?」

男「バレない、とはなにが?」

女「本人であることを」

男「YESともNOとも言い難いな」

男「おじいさんの変装をしていることが重要なのであって、誰かから身を隠しているわけではない」

女「なるほど」



 563 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/09/29(月) 20:10:35 ID:Ar/uTquM [6/17]

女「その男の人の職業と関係していますか?」

男「いいや、別に」

男「ごく普通のサラリーマンだ」

女「借金取りから逃げているカモフラージュとかでは」

男「それもないな、特に問題のある家庭ではない」

女「母親の方の職業とかには……」

男「それも関係がない」



 564 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/09/29(月) 20:18:27 ID:Ar/uTquM [7/17]

女「母親の方は、旦那が変装をしていることを当然知っていたんですよね?」

男「ああ」

女「二人して、なんらかの理由でそんなことをやっていたんですよね?」

男「ああ」

女「二人に子どもは?」

男「いないようだ」

女「その二人が住んでいる家には、祖父母が同居していますか?」

男「いい質問だな」

男「この二人がサッカーをし始める前までは、祖父が同居していた」



 565 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/09/29(月) 20:26:10 ID:Ar/uTquM [8/17]

女「ということは、同居しなくなったことがこの件と関係あるんですね?」

男「そうだな」

女「もしかして亡くなってしまったんですか?」

男「いいや」

女「おばあさんの方は、もう亡くなっていました?」

男「ああ、もともと同居していたのは、この夫婦と祖父だけだ」

女「そもそも、この夫婦が暮らしていたのは、そのおじいさんの実家でしたか?」

男「そうだ」

女「死んだのでもなく、でも家からおじいさんがいなくなった……」



 566 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/09/29(月) 20:34:39 ID:Ar/uTquM [9/17]

女「地下室に監禁されていて、でもその事実を知られないために元気なふりをしている?」

男「違う」

女「おじいさんのサッカー選手になるという夢を叶えるため、息子が代わりに頑張ってアピールしている?」

男「バレるだろ、そんなアピール」

女「ですよねー」

男「おじいさんのメイキャップをしてプロバスケ選手がストリートバスケで無双するCMがあったな、そういえば」

女「そうそう、そんな感じで」

男「しかし男の方のサッカーの才能は、別にプロになれるようなレベルではなかったようだ」

女「むむう」



 567 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/09/29(月) 20:46:20 ID:Ar/uTquM [10/17]

女「プロサッカーは別に関係ないんですね?」

男「ああ」

女「あ、そもそもその男の人の変装は、おじいさんそっくりでしたか?」

男「ああ」

女「じゃあやっぱり、いなくなったおじいさんのふりをしているんですよね?」

男「そうだ、それは確かだな」

女「つまり、いなくなったことを隠したかったんですよね?」

男「まあ、そうだ」

女「誰に対して?」

男「さあ、それが重要だ」



 568 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/09/29(月) 20:56:26 ID:Ar/uTquM [11/17]

男「ちなみに言っておくが、犯罪めいたことは特にないからな」

女「あら、事件ではないんですね」

男「ちょっと不思議な話、というだけさ」

女「警察に隠したかった訳ではないんですよね?」

男「ああ」

女「ご近所に?」

男「うん、まあ、それで正解かな」

男「もっと具体的に掘れればいいんだけど」

女「ううむ」



 569 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/09/29(月) 21:05:07 ID:Ar/uTquM [12/17]

女「あと、『いなくなった』のが、ちょっと消化不良ですね」

女「事件性がないのに、同居しなくなったというのは……」

女「一人暮らしを始めた……とか」

男「じゃないな」

女「じゃないですよねーおじいさんの一人暮らしってあんまり聞かないですよねー」

男「高齢というのをイメージするといいかもな」

女「高齢……高齢……」

女「徘徊老人!?」

男「んー違う」

女「あ、入院!?」

男「惜しい」



 570 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/09/29(月) 21:15:42 ID:Ar/uTquM [13/17]

女「入院が惜しい?」

男「まあ似たようなものといえるかもしれないがな」

女「あ、老人ホームに入った、とか?」

男「そう、正解だ」

女「老人ホームに入ったことを隠したかった?」

女「でも、わざわざ変装してまですることかなあ……」

男「それを隠したかった、というのももちろんあるんだが、重要なのは『おじいさんは元気だ』とアピールすることだったんだ」

女「ほほう」



 571 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/09/29(月) 21:25:00 ID:Ar/uTquM [14/17]

女「おじいさんはもともと、その公園によく来ていたのですか?」

男「頻繁に、という訳ではなかったようだが、散歩には時々訪れていたようだ」

女「それが老人ホームに入ることでぱったりとなくなると、まずいと思ったのでしょうか」

男「それは誰が?」

女「その夫婦が」

女「あるいは、おじいさん自身が?」

男「どちらも正解だ」



 572 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/09/29(月) 21:34:54 ID:Ar/uTquM [15/17]

女「その変装サッカーは、後ろめたさから来るものでしたか?」

男「いや」

女「では、誰かを喜ばせるため」

男「少し違う」

女「誰かを悲しませないため」

男「そう、近づいているぞ」

女「誰かを悲しませないために、元気でいることをアピールした?」

女「あ、それって、サッカーも関係していますか?」

男「そう、サッカーも、ある意味ではアピールなんだ」



 573 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/09/29(月) 21:46:07 ID:Ar/uTquM [16/17]

女「おじいさんが老人ホームに入ったのは、なんらかの事故が関係していますか?」

男「いや、関係していない」

男「ただ……」

女「ただ?」

男「夫婦がアピールしたかった相手には、もしかしたら違う伝わり方をするかもしれない」

女「夫婦はそれを恐れたんですね?」

男「ああ」

女「だから、『気にしなくていいんだよ』とアピールしたんですね?」

男「そうだ」

女「ふふふ、微笑ましい話じゃないですか」



 575 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/09/30(火) 00:50:34 ID:nR9Wf0L6

乙。さて、孫か遅く来た何度目かの春か、どっちだ?



 576 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/09/30(火) 07:55:27 ID:3V9wQiFE

おつ
久しぶりだ

相手は老人ホームとかがまだ理解できない小さな子かなーと思った



 577 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/09/30(火) 09:48:56 ID:Np7PTXiI

子どもが蹴ったサッカーボールが当たったおじいさんが怪我して、それが元で老人ホームに入った?
でも事故はないってことだしなあ



 578 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/09/30(火) 12:16:20 ID:ohmmVzd.

女の言ってる通り、単に間が悪かっただけであなたのせいじゃないよってことじゃないのかな



 579 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/09/30(火) 21:48:11 ID:rQ8buuF2 [1/11]

【解答編:おじいちゃんはサッカー上手】



女「もともとは散歩でおじいさんは公園に訪れていたんでしょう」

女「そこでおそらく、サッカーをしている子どもがいたのでしょう」

男「そうだ、ご明察」

女「わざとではないけれど、その子が蹴ったボールがおじいさんに当たってしまった」

女「あるいは、転がってきたボールを返そうとして転んでしまった」

男「後者が正解だ」

男「蹴ろうとして足を滑らせて、すってころりん、と」

女「あらあら」



 580 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/09/30(火) 22:02:48 ID:rQ8buuF2 [2/11]

女「おじいさんがけがをしてしまったことを心配する子ども」

女「『大丈夫、大丈夫』と元気に見せるおじいさん」

男「しかし、その件とは関係がなくおじいさんは老人ホームに入ることになっていた」

女「タイミングが悪いですよね」

男「もともと決まっていたことだそうだ」

女「もしぱったりとおじいさんが姿を見せなくなったら、その子は気にするでしょうね」

男「『老人ホームに入った』と言うと、さらに気になるだろうからな」

女「『あなたのせいじゃないんだよ』って言っても、やっぱり小さい子には心の傷になるかもしれない」

女「だからそれを聞いた夫婦は、その子の為に一芝居打つことにしたのね」

女「『おじいさんは元気でいるよ』と」



 581 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/09/30(火) 22:11:54 ID:rQ8buuF2 [3/11]

男「その子がその姿を見て安心したら、頃合いを見て施設に入ったことにしたらいい」

男「そんなその場しのぎの演出だったのさ」

女「その子には変装がばれていなかったんでしょうか」

男「さあ、どうかな」ニヤニヤ

女「あれ、なんですかその笑いは」

男「いや、別に」

女「あれ、そういえばその事件は誰が解いてくれと依頼してきたんですか?」

男「依頼人に関する情報は言えない決まりでね」

女「私にもですか」

男「優秀な助手であるお前にもだ」ニヤニヤ



 583 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/09/30(火) 22:19:57 ID:rQ8buuF2 [5/11]

【おまけ:謎のボランティア団体】



男「もし自分が犯罪を犯し裁判にかけられたとしたら、できるだけ軽い刑にしてほしいと願うか?」

女「なんかヤな質問ですね」

女「でもまあ、できることなら短い方がいいとは思いますけど」

男「例えば過失ではあったとしても、大切な人を死なせてしまったとしたら?」

女「っ、それは……」

男「どうかな」

女「自分のせいだとしたら、死刑でいいと考えます」

女「軽い刑で出てきたら、その人に申し訳ないと思っちゃうかもしれません」



 584 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/09/30(火) 22:32:29 ID:rQ8buuF2 [6/11]

男「あるところに恋人を死なせてしまった男がいたんだ」

男「別れ話のもつれで揉みあいになり、弾みで頭を打って、な」

女「別れ話はどちらから?」

男「彼女の方からだそうだ」

女「それに怒って、という感じですか」

男「そうだ」

男「しかし男は殺意や動機などについてほとんど詳しい話をしていない」

男「『僕がやりました』と、ただそれだけだった」



 585 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/09/30(火) 22:41:47 ID:rQ8buuF2 [7/11]

男「だがしかし男は黙っているのに、陰で男の無実を証明しようとする団体が現れた」

男「女の方の不実や、男のアリバイ、様々な証拠が後から見つかったんだ」

男「しかし男の方には、身に覚えのない話ばかり」

女「弁護士が頑張っていたのでは?」

男「それも違う、弁護士の方にある団体から連絡が来たんだ」

男「ボランティアでやっている者だが、私たちの存在は明かさないでくれ、と」

女「ははあ、妙な話ですね」



 586 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/09/30(火) 22:48:36 ID:rQ8buuF2 [8/11]

男「無罪を勝ち取った暁にはお目にかかりたい、と言って一切裏で男のサポートをしていたんだ」

女「男のためを思って、でしょうか」

女「男はそれで喜んだんですか?」

男「いいや、男にも喜ばしい話ではない」

男「女が死んでしまった以上、死刑でもいいという考えだった」

女「じゃあどうして?」

男「さあ、どうしてだろうか?」



 587 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/09/30(火) 22:55:39 ID:rQ8buuF2 [9/11]

女「その団体はいつもそんなことをしているんですか?」

男「いや、過去にその団体が暗躍した例はなかったようだ」

女「結局無罪にはなったんですか?」

男「ああ、一応はね」

女「なにか怪しい宗教は絡んでいる?」

男「いいや」

女「大きな金が動いている?」

男「それも違う」



 588 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/09/30(火) 23:13:03 ID:rQ8buuF2 [10/11]

女「あ、そもそも男は客観的に見て、死刑判決が出そうな状況だったの?」

男「長くて20年、といったところだっただろうな」

女「……」

女「もしかして、男が死刑判決だったとしたら、そのボランティア団体は出てこなかった?」

男「出てこなかっただろうな」

女「……わかりました」

女「その団体は、『待っていられない人たち』では?

男「……正解だ」

女「うああ、怖いなあ」



 590 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/09/30(火) 23:47:52 ID:toeM8HEA

おつ
おまけは解答編なしだっけ? わからん
団体は女のほうの親族で、自分らの手で復讐するために暗躍したとか?



 591 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/10/01(水) 08:32:31 ID:3hm7fCgc

臓器絡み?



 592 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/10/01(水) 11:48:13 ID:jX35I.Uc

死刑だと出てこないんだから、復讐だろうなぁ



 595 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/10/12(日) 21:57:19 ID:/lDD0LJE [2/13]

【出題編:死のプレゼント】



男「それはなにを読んでいるんだ?」

女「恋愛小説ですよ」

男「ミステリ物以外も読むのか」

女「そうですよう、乙女ですから」

男「一言多いんだよ」

女「多くないですよっ」

男「ですよですよ、うるさいんだよ」

女「所長こそ一言多いんですよっ」



 596 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/10/12(日) 22:06:31 ID:/lDD0LJE [3/13]

パタン

女「はあ、いいなあ、こんな恋がしたいなあ」

男「……」

女「あ、所長になにか無理を言おうとしてるわけじゃないですからね、あしからず」

男「まだなにも言ってねえよ」

女「現実は小説ほど奇抜ではなく、平平凡凡な毎日だということもわかってますし」

女「私は別に物語のヒロインでもなく、ただの普通の美少女女子高生ってことも……」

男「自己評価が高いな、最近の若者にしては珍しく」

女「うふふ」

男「どんな恋なんだ?」

女「はい?」



 597 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/10/12(日) 22:25:01 ID:/lDD0LJE [4/13]

男「その本の」

女「あ、ああ、これですか」

女「内気な男の子がですね、同じく内気な女の子に恋をしてしまって」

女「ちょっとずつアピールしようとするんですけど、うまくいかなくて」

女「こっそり後をつけたり、手紙を書いては破って捨てたり、授業中にちらちら見たり」

男「危ないやつだな」

女「不良に絡まれているところを助けに入ってボコボコにされちゃうんですけど、それでちょっと仲良くなって」

男「ありがちだな」

女「最終的にはちょっとラブラブになって終わるっていう……」

男「なるほど、そんなのが好きなのか」

女「ええ、まあ、割と気に入りました」



 598 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/10/12(日) 22:33:54 ID:/lDD0LJE [5/13]

男「よし、じゃあ内気な男性の悲しい恋物語を聞かせてやろう」

女「え、所長の思い出話ですか!? 聞きたい!」

男「誰が内気か」

男「実際にあった事件のことだよ」

女「なあんだ、所長の恋バナも聞きたいのになあ」

男「そんなことは絶対話さねえぞ」

女「んもう」

男「なにが『んもう』だよ」



 599 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/10/12(日) 22:43:03 ID:/lDD0LJE [6/13]

男「とある郵便屋が、一人の女性に恋をしたんだ」

男「いつも配達に行く家の人で、いつも郵便屋を待っていた」

男「目を伏せてぼそぼそ喋る女性だったが、その内気さも気に入ったんだそうだ」

男「配達されてきた手紙をいつも楽しみにしている様子だったが、その内容を読む前に、いつも寂しそうな顔をしていたらしい」

女「誰かからの手紙を待っていたんでしょうか」

男「そうだ、そしてそれがなかなか届かないのを悲しんでいたんだろうな」

男「あるとき男は決心して、自分の気持ちを書いた手紙と、プレゼントを入れた封筒を配達物に紛れ込ませた」

男「男は、彼女が手紙の差出人が自分であることに気づいた後、どうするかドキドキしながら待った」

女「うぶですねえ」



 600 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/10/12(日) 22:56:12 ID:/lDD0LJE [7/13]

男「しかし女性が手紙を家に持って入った後、なかなか出てこなかったので振られたもんだと思ってその家を後にした」

男「しかし運命とは残酷なもので、その女性はその日のうちに首を吊って死んだそうだ」

女「へ?」

男「この女性を自殺に駆り立てた原因はなんだったのだろうか」

女「ス、ストーカーっぽくて怖かった、とか?」

男「違う、それじゃ安易なストーカー事件だろ」

女「郵便屋の男の手紙のせいだったんですか?」

男「そうだ」

女「郵便屋はそれを知っているの?」

男「いや、知らないまま、別の街に転勤していったそうだ」



 601 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/10/12(日) 23:03:12 ID:/lDD0LJE [8/13]

女「もちろん男はそんなことを想定して手紙を渡したわけではなかったんですよね?」

男「ああ、想定外だっただろうな」

女「その女性は、プレゼント入りの手紙が彼からのものだと気付いたんですか?」

男「いや、気付かなかった」

女「でも自殺の原因は、その手紙?」

男「ああ」

女「じゃあなにか別の意味があると勘違いしてしまった?」

男「そう、そうだ」



 602 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/10/12(日) 23:10:35 ID:/lDD0LJE [9/13]

女「そのプレゼントっていうのは重要ですか?」

男「ああ、重要だ」

女「それは一般的なものですか?」

男「片想いの最初のプレゼントとしてどうかは知らんが、まあプレゼントとして奇抜なものではなかったと思うな」

女「封筒に入るサイズのものだったんですよね?」

男「そうだ」

女「その封筒っていうのはこんな大きさの?」

男「いや、これくらいの、ハガキより少し大きい程度のかな」

女「案外小さいですねえ」

男「この中に入るサイズだ」



 603 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/10/12(日) 23:19:17 ID:/lDD0LJE [10/13]

女「指輪?」

男「違う」

女「それはちょっと重いか」

女「ヘアピン?」

男「違う」

女「鏡?」

男「違う」

女「日常的に使うものですか? アクセサリーとかですか?」

男「後者だな」

女「あ、ネックレス?」

男「お、正解」



 604 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/10/12(日) 23:27:04 ID:/lDD0LJE [11/13]

女「片想いで渡すにはちょっと重いかもですねえ」

男「そうだな」

男「その選択が、彼女を死に追いやってしまったんだ」

女「え、そのプレゼントがネックレスじゃなかったら、自殺なんてしなかったかもしれないんですか?」

男「そうだ」

女「それは……不運ですね」

男「まったくだ」

女「例えば指輪だったら?」

男「こんな悲劇は起こらなかっただろう」

女「ううむ」



 605 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/10/12(日) 23:38:10 ID:/lDD0LJE [12/13]

女「その女性は、手紙の内容を読まなかったんですか?」

男「……少しだけ、違う」

女「ん?」

男「『読まなかった』のではなく……」

女「『読めなかった』?」

男「そうだ」

女「言葉が違った?」

女「自分の使う言語と違う言葉だったから、意味を勘違いしてしまった、みたいな」

男「近いが違う」

女「えっと、二人は同じ国の人間ですか?」

男「そうだ」

女「だけど使う言語が違った?」

男「ああ、そうだ」



 606 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/10/12(日) 23:54:00 ID:/lDD0LJE [13/13]

女「それを男は知らなかった?」

男「そうだ」

女「あれ、でも、ぼそぼそと喋る女性だって言ってましたよね」

女「会話は成り立ってたんじゃ……」

男「そう、会話は、一応成り立っていた」

女「あ、読めなかったってそういうことですか!?」

女「その女性は目が不自由だったのね?

男「そう、正解」



 607 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/10/13(月) 00:05:53 ID:uYmfvcYY [1/6]

女「でも郵便屋の男は、それに気付いてなかったのね?」

男「そうだ」

女「郵便屋の男は普通の手紙を入れてしまったけれど、それは彼女には読めないものだった」

女「じゃあやっぱり、重要なのはプレゼントの方だったんですね」

男「そうだ」

女「男の手紙の内容は関係がない?」

男「ああ、普通のラブレターだったようだが、内容は特に関係がない」

女「女性は一体なにと間違えてしまったんでしょうか」

男「それもまた、一般的ではないだろうな」

男「特にこの国では」



 608 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/10/13(月) 00:11:29 ID:enMTkWUM [1/2]

あっ(察し



 609 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/10/13(月) 00:13:05 ID:uYmfvcYY [2/6]

女「海外の話ですか?」

男「そうだ、一応な」

女「その女性には家族か恋人がいますか?」

男「家には一人暮らし、遠く離れて暮らしている恋人がいた」

女「両親やきょうだいは?」

男「両親はすでに他界、きょうだいはおらず一人っ子」

女「ふうむ」



 610 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/10/13(月) 00:27:34 ID:uYmfvcYY [3/6]

女「それ以外に重要な人物は出てきませんか?」

男「ああ」

女「遠く離れている恋人というのが気になりますね」

女「いつも家の前で待っていたのは、その恋人からの手紙が届くのを待っていたからでは?」

男「お、正解」

女「じゃあどの道、郵便屋さんの恋心は叶わなかったということですね」

男「残念ながらな」

女「プレゼント入りの手紙が、恋人からのものだと勘違いしたんですか?」

男「ううん、少し違うかな」



 611 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/10/13(月) 00:34:15 ID:uYmfvcYY [4/6]

女「あ、そか、恋人なら目が見えないことも知ってますよね」

男「ああ、当然だろうな」

女「点字の手紙って打てるんですか?」

男「専用の機械を使えば、割と簡単に作れるそうだが」

女「恋人の手紙を待っていたのに、なかなか届かないから悲しくなった?」

女「といっても自殺するには理由が希薄ですよねえ」

男「近いところまで来ているんだけどなあ」

女「恋人とは遠距離なんですよね?」

男「ああ」

女「それは、とってもとっても遠くですか?」

男「……そうだな」



 612 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/10/13(月) 00:41:21 ID:uYmfvcYY [5/6]

女「もしかして、『恋人はもう自分の元に帰ってきてくれない』と勘違いしたのでは?」

男「……正解だ」

女「本当はそんなことはなかった?」

男「そう、すべては彼女の勘違いがそうさせたんだ」

男「しかし二人が置かれている状況を考えれば、そう勘違いしてしまうのも無理はないのかもしれない」

女「もし恋人がもっと早くに手紙を送っていれば……」

男「あるいはこのタイミングで、送れていたら……」

女「うまくいかないんですね、いつも」

男「現実はシビアだな」

女「所長はそんな状況に巻き込まれないようにしてくださいね」

男「この国にいる限り、そんな心配は……」

女「100%ないとは言い切れないでしょう?」

男「まあ、な」



 614 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/10/13(月) 00:45:03 ID:enMTkWUM [2/2]


ネックレスをアレと勘違いするにしても分かりそうなもんだが
目を見えないと違ったりするか



 615 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/10/13(月) 06:06:16 ID:rfKYGWio

恋人が死んだと思ったのかな



 616 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/10/13(月) 08:02:48 ID:w0vDQIpo

あぁ、これは自殺もんですわ……
何故かMGS思い出したが



 617 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/10/13(月) 18:36:23 ID:PIMiUqLU

メタルギア同意
ある程度予想していたからこそ、自殺に走ったのかと思ったけど、
手紙を楽しみに待っていたというから、違う気もする



 618 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/10/13(月) 18:57:12 ID:Tz1UbLVQ

ドッグタグだっけ?と間違ったとか?



 619 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/10/14(火) 02:46:32 ID:TOU4VWis

恋人が出兵してて遺品が郵送されたと勘違い、ってこと?



 621 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/10/14(火) 21:57:54 ID:qevoFixk [2/7]

【解答編:死のプレゼント】



女「その女性はずっと恋人からの手紙を待っていたはずなんです」

女「『無事』を知らせてくれる手紙を」

男「ああ」

女「その恋人は、彼女が目が見えないことを知っていたので、点字の手紙を送ってきてくれるはずだった」

女「でも、いつまで経っても、点字の手紙は送られてこない」

男「日に日に精神は削られていたんだろうな」

女「その恋人というのは、戦地に兵士として赴いていた人なんですね」

男「ああ、そうだ」



 622 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/10/14(火) 22:06:57 ID:qevoFixk [3/7]

女「そんな折、ネックレス入りの手紙が届く」

女「それを彼女は、戦地から送られてきた彼の識別票だと勘違いしてしまったんですね」

男「そうだ、悲しいことにな」

女「ドッグタグとも言うんでしたっけ」

男「ああ、戦場の兵士が死後も識別できるように配付されるタグだな」

男「その女性はその知識があった」

男「だからこそ、早とちりしてしまったんだ」

女「そんなことを知らなければ、勘違いすることもなかったのかもしれませんね」

男「しかし目の見えない彼女に、帰らない自分を待たせるわけにはいかないと思って、自ら教えていたのかもしれないぞ」

女「ああ……その気持ちは……少しわかります」



 623 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/10/14(火) 22:14:39 ID:qevoFixk [4/7]

男「せめてプレート型でないネックレスや、別のものであったなら、なあ」

女「悲しい偶然ということですね」

男「男はプレゼントを贈る際には気をつけないといけない、という教訓だな」

女「ええ」

男「ところで、もうすぐ18歳だったな」

女「あ、ええ」

男「プレゼントだ、受け取れ」

女「え、このタイミングで!?」



 624 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/10/14(火) 22:22:44 ID:qevoFixk [5/7]

女「ちょ、ちょっとちょっと、今の流れはさすがにおかしくないですか?」

男「安心しろ、ドッグタグと間違えるようなネックレスじゃないから」

女「そんな心配はしてませんけどね!?」

女「むしろネックレスだった方がなんか清々しくて笑えますけどね!?」

男「あんまり高価なものは用意できなかったんで、少し悪いと思ったんだが」

女「あ、えっと、もらえること自体は嬉しいですけどね」

女「超嬉しいですけどね」



 625 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/10/14(火) 22:30:03 ID:qevoFixk [6/7]

女「わ、可愛い髪留めですね」

女「ありがとうございます!」

男「髪が伸びてきたからなあ」

女「伸ばしてるんですっ」

男「ま、気に入ったら使ってくれ」

女「はい、気に入りましたので毎日使います」

男「あ、そう」

女「♪」

男「ちなみにおれの誕生日は……」

女「知ってますので言わなくて大丈夫ですよう」

男「……あそう」

女「♪」



 627 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/10/15(水) 01:59:35 ID:RNRy.tOM

もうすぐ終わっちゃうのか、残念
二人の仲はどこまで進展するのか…

乙!



 628 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/10/16(木) 13:29:15 ID:MvH/J9cM


今回は正解した!

せめてこのスレが埋まるまでやって欲しい
けど>>1が終わるっていうなら仕方ないのか…



 629 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/10/22(水) 21:58:25 ID:M1/M6fy6

とてもとても面白かった 乙!!



 630 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/10/25(土) 21:40:38 ID:IVWEVxRs [1/10]

【おまけ:猟師の油断】



女「所長って、もともと刑事だったんですよね?」

男「ああ」

女「その時に、銃を撃った経験はありますか?」

男「ん? 銃?」

男「訓練では山ほど撃ったさ」

男「でもまあ、犯人や容疑者相手に発砲したことはないよ」

女「なあんだ」

男「そもそも、銃なんか撃たない方がいいだろ」

女「まあ、そうですけど」



 631 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/10/25(土) 21:48:58 ID:IVWEVxRs [2/10]

男「なに、銃に興味があるのか?」

女「いや、ちょっと銃って格好いいなあと思ったものですから」

男「猟銃なら一般人でも持とうと思えば持てるんじゃないか?」

女「あー、猟銃かあ」

男「でもやっぱりピストルの方がいい、と」

女「あは、ばれてますね」

男「スパイみたいな小型銃が欲しい、と」

女「え」

男「顔に書いてある」

女「ええ~」



 632 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/10/25(土) 21:58:52 ID:IVWEVxRs [3/10]

男「銃は怖いぞ、という話をしてやろう」

女「はあ」

男「山小屋に住んでいる男がいたんだ」

男「普段から猟をして暮らしている男だ」

女「ふむふむ」

男「ある日、猟銃を担いで山を登っているとクマを見つけたんだ」

男「チャンスだと思って銃を撃ったんだが、男が『しまった』と思ったがすでに遅く、男は死んでしまった」

男「この不幸な男の身になにが起こったのだろう」



 633 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/10/25(土) 22:14:34 ID:IVWEVxRs [4/10]

女「男は『しまった』と思ったんですか?」

男「そうだ」

女「なにか致命的なミスをしていたんですか?」

男「そうだ」

女「むう、なんか簡単そうな気がします」

男「はは」

女「なんかこう、銃口に詰め物をしていたのを忘れていて、暴発しちゃったんじゃ?」

男「ううん、違うな」

女「あれ、自信あったのに」



 634 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/10/25(土) 22:21:31 ID:IVWEVxRs [5/10]

女「それは普通の猟銃でしたか?」

男「ああ、ごく普通の」

女「仕掛けもない」

男「なかったな」

女「銃口を間違えて手前に向けたまま引き金を引いた?」

男「んな馬鹿な」

女「あれ? 弾が出ないなあ? チラッチラッ、みたいな」

男「んな馬鹿な」



 635 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/10/25(土) 22:32:32 ID:IVWEVxRs [6/10]

女「『しまった!』と思ったのは撃つ直前ですか? 撃った後ですか?」

男「後かな」

女「撃たなければ死ななかった?」

男「そうだな」

女「クマは死んだんですか?」

男「ああ、眉間を打ち抜いていたそうだ」

女「それに怒った親熊か子熊が、襲ってきた!?」

男「いや、違う」



 637 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/10/25(土) 22:48:04 ID:IVWEVxRs [7/10]

女「銃声は響いたんですか?」

男「ああ、よく響いたようだ」

女「それに驚いた山の動物たちが驚いて飛び出してきた、とか」

男「普通逃げるだろう」

女「そっか、そりゃそうか」

男「よく響いた、というのは、ちょっと重要だな」

女「あ、わかった」

男「お」



 638 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/10/25(土) 23:01:41 ID:IVWEVxRs [8/10]

女「その猟師さん、もしかして手袋をしていたのでは?

男「正解」

女「それはなんというか……ご愁傷様ですね」

女「猟銃には消音機みたいなのはないんですかね?」

男「さあ、どうだろうね」



 640 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/10/25(土) 23:14:08 ID:JAgDYc9E

待って
手袋がどうしたのさ
察しが悪くてすいません



 641 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/10/25(土) 23:22:37 ID:IVWEVxRs [10/10]

女「分厚い上着も着ていたのでは?」

男「うん、それも正解」



 642 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/10/25(土) 23:36:36 ID:UFwow/u.

駄目だ、わからん



 643 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/10/25(土) 23:54:18 ID:edA69rGM

ははーん、ポケットにはカイロが入ってましたね?



 645 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/10/26(日) 05:01:57 ID:6hcrRjpA

マフラーも巻いて靴下も3枚は重ねてただろう



 646 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/10/26(日) 09:13:30 ID:eawrWhVE

雪崩かー



 647 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/10/26(日) 11:04:48 ID:GHaX8uFU

冬には禁猟になってれば助かったろうに……



 648 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/10/26(日) 16:02:17 ID:87B16Hrw

クマー!!



 652 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/11/02(日) 22:12:39 ID:875DlPYA [2/16]

【出題編:結婚詐欺師の幸福】



女「所長、結婚はいつにいたしましょうか?」

男「は?」

女「結婚」

男「血痕? 物騒な話だな」

男「血まみれの男の事件があったな、その話をしようか」

女「違います! メルヘンな方の結婚です!」

男「結婚がメルヘンだという認識がおれにはないんだけど……」



 653 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/11/02(日) 22:18:47 ID:875DlPYA [3/16]

女「あれ? 私、期待していいんですよね?」

女「私、所長の特別な人ですよね?」

男「まだ早いよ」

女「まだ……」

男「『まだ』だよ、あんまり言うな、野暮になるから」

女「……♪」

男「……」

女「……♪」

男「機嫌がよさそうでなにより」



 654 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/11/02(日) 22:34:27 ID:875DlPYA [4/16]

男「結婚はメルヘンじゃないって事件があるんだけど」

女「え、夢壊さないでくださいよ」

男「探偵事務所に勤めるつもりで『夢壊すな』とは無茶を言う」

女「んー」

男「まあ、お子様には早いかな」

女「そういう言い方はなしですよっ」

女「ああもう、聞きます聞きます!」

男「そうこなきゃあね」



 655 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/11/02(日) 22:45:21 ID:875DlPYA [5/16]

男「あるところに結婚詐欺師の男がおりました」

女「あー、最初っから夢のない話ですねえ……」

男「その男には高嶺の花の女性がいて、結婚を申し込み続けたがずっと断られていたんだ」

男「顔も頭もそれほど悪くはない」

男「しかしその女性には振り向いてもらえなかったんだ」

男「なんとか振り向いてもらおうと、大金を稼ごうと思って」

男「それで結婚詐欺という手段に走ってしまったという訳だ」

女「はあ、愚かな男ですね」



 656 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/11/02(日) 22:57:00 ID:875DlPYA [6/16]

男「さて、この男は最終的に幸せを掴むわけだが、一体どんな人生を送ったのだろうか」

女「え、幸せになるんですか?」

男「そう、最終的には」

女「ということは、途中に不幸もあったんですか?」

男「ああ、不幸も経験している」

女「最終的な幸せって、じゃあ、その女性と結婚したということ?」

男「いや、それは違う」

女「あれ?」



 657 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/11/02(日) 23:03:10 ID:875DlPYA [7/16]

女「その高嶺の花とは結婚できなかった?」

男「ああ」

女「だけど幸せ?」

男「まあ、そうだな」

女「詐欺罪で立件されたことはあったんですか?」

男「いや、それはなかったんだ」

女「じゃあ不幸っていうのは逮捕とかではないんですね?」

男「ああ」

女「ていうか、犯罪者なのに捕まって不幸とか言うのは違うか」

男「そりゃそうだ」



 658 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/11/02(日) 23:11:55 ID:875DlPYA [8/16]

女「捕まらなかっただけでも幸運じゃないですか?」

男「それはそうかもしれないな」

女「だけど他にも幸運があった訳ですか?」

男「ああ」

女「それは、詐欺を働いていたから舞い込んできたもの?」

男「そうだ」

女「堅実に生きていたら、それはなかった?」

男「ああ」



 659 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/11/02(日) 23:18:15 ID:875DlPYA [9/16]

女「結婚はできなかったけど、お金持ちになれたから、幸せ、とか」

男「両方違う」

女「ん? 両方?」

男「『結婚できなかった』訳でもないし、『お金持ちになれた』訳でもない」

女「あれ? 詐欺師ですよね? お金は稼げなかったんですか?」

男「『稼げなかった』というのも、違う」

女「稼げたけど、なんらかの理由でそのお金は使ってしまった」

女「あるいは失ってしまった?」

男「失ったのが正解」

女「ああ、なるほど」

女「せっかく結婚詐欺で稼いだお金を、失ってしまったのが不幸だったわけですね」



 660 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/11/02(日) 23:24:16 ID:875DlPYA [10/16]

女「となると……そのお金を失った原因と、幸せになった理由に、直接的な繋がりはありますか?」

男「ああ、ある」

女「お金を失ったのが先ですよね?」

男「ああ」

女「失くした、盗られた、使った……」

女「あ、使ったんじゃないんだっけ」

男「その中だと、盗られた、が正解かな」

女「ほほう、泥棒ですかね」

男「んーちょっと違うかなあ」



 661 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/11/02(日) 23:32:05 ID:875DlPYA [11/16]

女「んーと」

女「男はお金を稼ぐために結婚詐欺を働いて、お金を貯めていて」

女「だけど誰かに盗られてしまって、不幸になったけど、最終的には幸せになった、と」

男「ああ」

女「働いた詐欺は一件ですか?」

男「いや、複数回」

女「めっちゃ格好いい、とかじゃないんですよね」

男「ああ、それなりだ」

女「そんな男に何回も詐欺ができるんですかねえ」

男「あれ、男を見た目で判断するタイプ?」

女「い、いや、そういう訳じゃないんですけど」



 662 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/11/02(日) 23:40:19 ID:875DlPYA [12/16]

男「探偵の心得、その一」

男「人を見た目で判断しないこと」

女「ははあ」

男「それともう一つ、この男は最初からある程度の金を持っていた」

女「む?」

男「金ならあるよ、という安心感が、相手を信用させる材料になるんだ」

女「……なるほど」

女「一つ、思いついたことがあります」

男「ん?」

女「そのお金を盗ったのは、男が詐欺を働こうとした相手だったのでは?」

男「お、すごいな、正解」



 663 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/11/02(日) 23:47:47 ID:875DlPYA [13/16]

女「詐欺師が詐欺にあう、という訳ですか?」

男「んん、それに近いな」

男「ただ、相手の女は詐欺師だったわけじゃない」

女「違うんですか?」

男「その相手は……なんのために金を盗ったのか」

女「そりゃ……金があったら欲しいでしょうよ」

男「違う、そんな目的じゃない」

女「自分の為に盗ったんじゃない!?」

男「ああ、違う」



 664 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/11/02(日) 23:53:18 ID:875DlPYA [14/16]

女「世界の為に!?」

男「そんな大それたもんでもない」

女「あ、男のことを思って、詐欺の証拠を消し去ってあげようと思った?」

男「それも違う」

女「むう、なかなかいい線かと思ったんですけど」

男「ただ、『男の為を思って』というのはいい線だな」

女「え、そこが!?」



 665 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/11/02(日) 23:58:11 ID:875DlPYA [15/16]

女「ねえ、もしかして男は自分が得た幸せのからくりを知らないのでは?」

男「ああ、知らない」

男「その方が幸せだろう?」

女「そうかも、しれませんね」

女「その『結婚詐欺師の男』って、この事務所に来た依頼人ですよね」

男「ああ、大分昔だが」

女「所長はもしかして、探偵の依頼が来ても『謎を解かない』ことが多いのでは?」

男「ああ、よくわかったな」

女「……事務所が貧乏な理由がわかりました」

男「ははは」

女「ま、なんにせよその依頼人の男は、『結婚できて幸せ』ってとこですかね

男「そういうこと」



 667 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/11/03(月) 11:09:35 ID:S7sEUjHw

相変わらず難しいな
さっぱりわからない



 668 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/11/03(月) 12:34:38 ID:/z5mRRpQ

ううむ、さすがの難題
結婚詐欺相手と実際に結婚してしまった結果、財産をとられた?



 669 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/11/03(月) 16:06:23 ID:oH4PXNa2

終わってしまうのか……寂しいなぁ

答えは…女も結婚詐欺師だったのかと思ったけど
どうやら違うようだし…
わからん

最後の問題だから自分で解きたかったが……



 670 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/11/03(月) 16:17:41 ID:1jB/xOrg

乙乙。
高値の花より手元のたんぽぽってなとこかねぇ。

何にせよ、終わりが近くて悲しいけど最後まで期待



 671 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/11/03(月) 22:01:45 ID:CPlq1l2g

詐欺被害者が高嶺の花と同じ顔に整形したのかと思ったけど
それって男と結婚したい自分のためでもあるよなぁ




 674 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/11/03(月) 22:11:45 ID:7dDXCfz2 [2/17]

【解答編:結婚詐欺師の幸福】



女「男が結婚詐欺をしようとしていた相手が、お金を持ち逃げしてしまった」

男「ああ」

女「ただそれは、自分の為でも世界の為でもなく、『男の為』だった」

男「ああ」

女「となれば、その女はお金を持ち逃げしてなにに使ったか」

女「これは予想なんですけど、結婚詐欺の相手に選ばれた女の人たちっていうのは……」

女「あまり美人なタイプではありませんでしたね?」

男「ああ、まあ言っちゃ悪いが、器量は良くても美人ではないタイプの人たちだったようだ」

女「だからその女の人は、『自分を磨く為』にお金を持って行った

男「そう、その通り」



 675 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/11/03(月) 22:18:30 ID:7dDXCfz2 [3/17]

女「整形手術とかもしたんでしょうかね」

男「思いっきり、という訳ではないようだが、まあいろいろと手を加えたようだ」

男「まあ、元がそこまで悪いわけじゃなかったから、少し手を加えれば見事な美人になっていたよ」

女「エステとかも」

男「ああ、多分な」

女「そして、再び男のもとに戻った訳ですね」

女「結婚してくれって」



 676 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/11/03(月) 22:24:33 ID:7dDXCfz2 [4/17]

男「男は降って湧いた話に戸惑いつつも、大金を失い落ち込んでいた所だったから、よくわからないままに結婚したそうだ」

男「まあ美人が結婚を迫ってくるわけだし、悪い気はしないだろうな」

女「男の詐欺の為の口車とはいえ、その女の人には『結婚の話』がとても嬉しいことだったんでしょうね」

男「まあ、褒められておだてられて結婚しようと言われれば、嬉しいもんだろうな」

女「それも、まあもともとモテるタイプの人ではないのだから」

男「言われ慣れていなかったんだろうな」

女「しかし詐欺で得た金であること、その男が結婚詐欺師だということに気づいてしまったのでしょうか」

男「そこははっきりとは言ってくれなかったな」

男「ただ、この人に振り向かないそんな『ただの美人』よりも、私の方が幸せにできるだろうって、そう言っていた」



 677 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/11/03(月) 22:32:51 ID:7dDXCfz2 [5/17]

女「詐欺って言っても、そんなパッと知り合ってパッと結婚するわけじゃないでしょう?」

男「ああ」

女「少しずつお互いを知る中で、男に対する本当の愛情が生まれて」

女「それが詐欺だって知ったとしても、それでも好きだってこと、あると思うんです」

男「……そうなんだろうな」

女「復讐するのではなく、寄り添う」

男「まあ、結果的には良かったんだろうね」

女「また詐欺を働くことがなければ、ね」

男「……過去の詐欺については、見逃してしまったんだけどな」

女「……それまでに騙された人たちには……よくない結果でしょうけどね」



 678 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/11/03(月) 22:38:18 ID:7dDXCfz2 [6/17]

男「な、結婚なんて、みんながみんなハッピーとは限らないのさ」

女「でも所長は、その男の人に真実を伝えなかったんでしょう?」

男「まあな」

女「そういうとこ、ロマンチストですよね」

男「……んなことねえよ」

女「照れてますね」

男「照れてません」



 679 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/11/03(月) 22:46:31 ID:7dDXCfz2 [7/17]

女「結婚かあ」

男「まだ早いよ」

女「あっという間ですよ、時間なんて」

女「特に女性は、時間を大切にしたいんです」

男「どういうこと?」

女「若くいられるのは今だけ」

女「自分が一番魅力的な時間を、大切な人のために使いたいんですよ」

男「……そうか」

女「……淡白なリアクションですね」

女「……所長らしいですけど」



 680 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/11/03(月) 22:53:54 ID:7dDXCfz2 [8/17]

男「大学に入ったら、知識を広げること、交友関係を広げること」

女「?」

男「ただし男と二人で出かけないこと、遅くなるときは連絡すること」

女「……」

男「迎えが欲しいときは迷わず言うこと、合コンには参加しないこと」

女「うふふ」

男「後は……」

女「わかりました、わかりました」

男「……淡白なおれの、関白宣言」

女「あー、その一言、マジでいらなかったなあ」



 682 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/11/03(月) 22:58:59 ID:7dDXCfz2 [10/17]

【エピローグ】



カランカラン

男「おう、おはよう」

女「……おはようございます」

男「……どうした、浮かない顔して」

女「所長、この際だから言わせていただきますけどね」

男「ん?」

女「私より先に事務所に来れる余裕があるんだったら、ちゃんと朝ご飯食べてくださいよ」

男「た、食べたよ?」

女「うそです」



 683 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/11/03(月) 23:05:10 ID:7dDXCfz2 [11/17]

女「人参のソテー、また食べなかったでしょう」

男「た、食べた食べた、一個」

女「減ってなかったですよ?」

男「う」

女「私ちゃんと数えたんですから」

男「……」

女「もう、子どもみたい」

男「嫌いなんだよ、人参」

女「ええ、ええ、知ってますけどね」



 684 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/11/03(月) 23:13:35 ID:7dDXCfz2 [12/17]

男「まあ人参のことは置いといて」

女「もう」

男「事件の話を聞いてくれ」

女「え、事件ですか?」

男「いいか、被害者は男」

男「ビルの屋上から墜落して死亡」

男「多数の目撃者がいる」

女「はあ、屋上に遺書は?」

男「まあ最後まで聞け」



 685 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/11/03(月) 23:19:50 ID:7dDXCfz2 [13/17]

男「ビルの下は血だまり」

男「随分高いビルのようで、体が一部破損」

女「破損?」

男「つまり、離れている」

女「うえ」

男「離れた右手には、トランシーバーほどの小さな機械」

男「そして問題なのが、ビルの屋上にも多数の出血の跡があるってことだ」

女「え、じゃあ自殺に見せかけた殺しじゃあ」



 686 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/11/03(月) 23:27:29 ID:7dDXCfz2 [14/17]

女「男は靴を履いていましたか?」

男「わからん」

女「屋上の出血ってどのくらいですか?」

男「わからん」

女「男の年代は?」

男「サラリーマンぽいってだけだ、未成年ではないようだな」

女「あいまいですね、そもそもそれは事故なんですか? 殺人なんですか?」

男「わからん、それをお前が今から調べるんだよ」

女「え?」



 687 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/11/03(月) 23:33:16 ID:7dDXCfz2 [15/17]

男「今からこの場所に行ってきてくれ」ヒラッ

男「おれの名前を出したら、内緒で現場にも入らせてもらえるから」

女「え、え、え」

女「今起こってる事件なんですか?」

男「当たり前だろ、なんだと思ったんだよ」

女「あ……いえ……」

男「ほれ、早く行け、事件は待ってくれないからな」

女「はあ」



 688 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/11/03(月) 23:43:57 ID:7dDXCfz2 [16/17]

男「気をつけてな」

女「はあい、では」

カランカラン

男「……」

男「大丈夫かな……」ソワソワ

男「初めてだし、やっぱ一緒に行った方が良かったか……」ソワソワ

カランカラン

女「なにか言いました?」

男「言ってない! 早く行け!」

女「えへへ、行ってきます」



★おしまい★



 691 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/11/04(火) 00:18:34 ID:jGZvxdBw

はむちゃんはむはむ!!
楽しかった!!
お気に入りは死刑囚のやつです



 692 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/11/04(火) 00:34:25 ID:Gmo3gJiM

めっちゃ楽しめた
超乙!

またネタが貯まったら書いて欲しい
最後のやつは答えがある問題?



>>692
最後の事件は、次に書くSSに出てくるシーンを切り貼りしただけで、
特にミステリ要素があるわけでもなく、そっちのSSに探偵たちが出てくるわけでもなく、
あんまり意味がないので気にしないでくださいww





 693 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/11/04(火) 01:55:07 ID:6w4iOI7s

はむちゃんだったかー、乙



 694 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/11/04(火) 02:17:44 ID:TUZbuzfY

乙!いつも楽しみにしてましたわ
他のSSも読んでみるよ!

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モルフェ

Author:モルフェ
HAM ◆HAM/FeZ/c2
SS保管庫です。
ここでのSSとは、主に既存のキャラを使わないショートストーリー、ショートショートのことです。
タイトルに歌詞を引用することが多いですが、歌の世界をそのままストーリーにしているという訳ではありません。

個人的なお話はこちら
tv_pops★yahoo.co.jp

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