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女「今日はどんな事件があったの?」 ⑤

女「今日はどんな事件があったの?」 ① 
女「今日はどんな事件があったの?」 ② 
女「今日はどんな事件があったの?」 ③
女「今日はどんな事件があったの?」 ④  の続きです。


ウミガメのスープのSS形式バージョンです。
一応出題編と解答編に分けて投下します。
適当に楽しんでください。
知ってる人はニヤニヤ(゜∀゜)しててください。


ウミガメのスープスレ、ウミガメサイト、友人の出してくれた問題、推理小説などから出していきます
 397 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/12(火) 18:09:21 ID:0vBf1B8U [1/10]

【出題編:森林の溺死者】



女「暑いですねえ」

男「ああ」

女「クーラーあんまり効いてませんねえ」

男「ああ」

女「プールとか、行きたいですねえ」

男「泳ぐのは好きなのか?」

女「ええ、わりと」

女「所長は泳げますか?」

男「まあ、泳げても泳げなくても人生に差異はない」

女「泳げないんですか?」

男「そうは言ってない」



 398 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/12(火) 18:24:38 ID:0vBf1B8U [2/10]

男「溺死というのは、数ある死に方の中でもかなり苦しい方だろうな」

女「息ができないというのは怖いですよねえ」

男「そんなところにわざわざ行くこともない」

男「おれは優雅に暮らして老衰でひっそりと死にたい」

女「所長らしいですね」

男「そうかな」

女「やっぱり泳げないんですね?」

男「そうは言ってない」



 399 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/12(火) 18:33:02 ID:0vBf1B8U [3/10]

男「森林で死んでいた男がいたんだ」

女「あれ、話を逸らしましたね?」

男「まあ聞け」

男「その男は森林のど真ん中にいたんだが、溺死していたんだ」

女「ほほう」

男「その付近に池や川はなかったし、もちろん海からも遠く離れている」

男「さて、その男はなぜ溺死したのだろうか?」

女「変なシチュエーションですねえ」



 400 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/12(火) 18:39:40 ID:0vBf1B8U [4/10]

女「えっと、その男は登山客でしょうか?」

男「うーん、少し違う」

女「持ち物に水筒などはありましたか?」

男「いや、付近には特に持ち物はなかった」

男「もともとは持っていたかもしれないがな」

女「それは、持ち去られたということですか?」

男「いや、違う」

女「ん?」



 401 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/12(火) 18:45:22 ID:0vBf1B8U [5/10]

女「溺死ということは肺に水が溜まっていたということですよね?」

男「ああ」

女「それは海水でしたか?」

男「いいや、海水ではなかった」

女「ただの水?」

男「ああ」

女「体は水に濡れていましたか?」

男「そうだな、びしょ濡れだった」



 402 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/12(火) 18:56:43 ID:0vBf1B8U [6/10]

女「服装は?」

女「普通の服ですか?」

男「そうだな、まあ普通の服と言っていいかな」

女「男が死んだ場所は、その発見された場所と同じですか?」

男「いや、違う」

女「犯人によって、その場所に運ばれたのですか?」

男「……違うな」

女「え?」

男「先に言っておくが、これは殺人事件ではない」



 403 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/12(火) 19:05:08 ID:0vBf1B8U [7/10]

女「事故ですか? 自殺ですか?」

男「事故だな」

女「事故死であっても、死んだのが違う場所なら、移動してきた手段が必要ですよね」

男「そうだな」

女「誰かが好意で男を運んだのですか?」

男「いや、違う」

女「なにかを隠すため、運ばれた?」

男「それも違う」

男「男を運んだのは、意図的ではなく、偶然が重なった結果だったんだ」



 404 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/12(火) 19:10:16 ID:0vBf1B8U [8/10]

女「偶然が重なった事故……」

男「そう、不運が重なった結果、わけのわからない状況になってしまったんだ」

女「森林ってことは、基本的には山ですか?」

男「そうだな、そんなに大きな規模ではないが」

女「池や川はなかったんですよね?」

男「ああ」

女「でも、ダムはあった?」

男「ああ、ダムがあった」

女「男はもともとそこで死んだ?」

男「ああ、正解だ」



 405 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/12(火) 19:17:29 ID:0vBf1B8U [9/10]

女「釣りにでも来ていたんですかね?」

男「おそらくな」

女「そこで足を滑らせて、ダムに落ちて、溺死してしまった」

女「それなら確かに事故です」

男「そうだ、しかしどうして森の中へ来たのか」

女「所長はもう、その謎を解いたんですよね?」

男「ああ、100%の確信はなかったがな」

女「その死体が発見される前、その山で、火事が起きましたね?」

男「おお、よくわかったな」

女「これって、かなり確率の低い偶然が重なっていますよね?」

男「はは、そうだな、確かに、宇宙的確率だ」

女「天文学的と言いたかったんでしょうか?」

男「そう、それそれ」



 407 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/08/12(火) 19:28:33 ID:i1dyZgPo

乙。
しかしながらこれ泳げる泳げないは関係ないのでは?www



 410 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/13(水) 21:38:43 ID:gg0U1T0Y [1/6]

【解答編:森林の溺死者】



女「ダムへ釣りに来た男は、ダムに転落して死んでしまった」

女「それだけなら、男はダムに浮かんでいるはずです」

女「でもそうならなかった」

男「そう、偶然が重なった」

女「溺死のあとどのくらい経ってからか、すぐかはわからないけれど、山火事が起きた」

女「そこは消防車が簡単には入っていけない場所ですね?」

男「ああ、山の奥だったからな」

女「だから出動したのは、消防ヘリ、そうですね?」

男「正解」



 411 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/13(水) 21:46:17 ID:gg0U1T0Y [2/6]

女「あれって、やり方は色々あるけどダムから給水したりするんですよね?」

男「ああ」

女「ホースだと入らないだろうから、大きなバケツ型ですかね?」

女「不運なことに、男の死体がその時給水されてしまったんですね」

男「ああ、おそらくな」

女「そのまま火事現場にヘリは飛び、水とともに森の中へ落とされてしまった」

女「その結果、森の中に溺死死体があるという状況になってしまったと」



 412 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/13(水) 21:54:06 ID:gg0U1T0Y [3/6]

男「消防隊員は気付かなかったのか、という謎が残るがなあ」

女「それだけ緊急の対応が必要な規模の火事だったんでしょうか」

男「山火事の中心地で溺死体を発見した人はびっくりしただろうな」

女「何事かと思ったでしょうね」

男「ま、泳げても泳げなくても、死ぬときは死ぬんだよ」

女「なんかそれ、無理やりこじつけてませんか」

男「おれは釣りもしないし、船にも乗らない」

女「飛行機にも乗らない?」

男「……それは……」



 413 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/13(水) 22:00:37 ID:gg0U1T0Y [4/6]

女「あーあ、所長とプール行きたかったなあ」

男「む」

女「海にも連れてってもらいたかったなあ」

男「……来年なら」

女「え! 来年なら連れてってくれるんですか!?」

男「今年はほら、勉強に集中しないといけないだろ」

女「やった! やった!」

女「……とびきりセクシーな水着、用意しときますねっ♪」

男「……」

女「あら、そんなに照れてる所長は珍しいですね」



 414 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/13(水) 22:07:51 ID:gg0U1T0Y [5/6]

男「……暑いな……」

女「当然ビキニですよねー、んで、こうちょっとスカートついてる可愛いやつでー」

男「……」

女「ふりふりーな、ひらひらーなやつでー」

男「……」

女「あ、色はどんなのが好きですか?」

男「泳ぐ練習しないとな」ボソッ

女「え? 何色ですか?」

男「なんでもねえよ」



 417 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/18(月) 19:53:25 ID:AQ9IbYpM [1/13]

【出題編:いつものお客さん】



女「なんか今日、機嫌悪いですね?」

男「ん? ああ、ちょっとな」

女「なにかあったんですか?」

男「大したことじゃねえよ」

女「気になりますよ……」

男「大したことじゃねえって言ってんだろ」

女「気になりますよ……」

男「なんで二回言ったお前」

女「所長もじゃないですかあ」



 418 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/18(月) 20:03:50 ID:AQ9IbYpM [2/13]

男「ん、実はな、おれがよく行く店があるんだが」

女「いやらしいお店ですか?」

男「違うよ馬鹿」

男「まあ店員も、おれのことをよく知ってるわけだよ」

女「はあ」

男「んで今日、その店員が気を利かせたわけだ」

女「はあ」

男「それにおれは腹が立ってんの」

女「はい、なるほど、わかりません」



 419 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/18(月) 20:13:15 ID:AQ9IbYpM [3/13]

男「だからそっとしといて」

女「いやいやいや、これだけの情報で『はいそうですか』とは言えませんし」

男「察して」

女「察せませんよ、いくらなんでも」

女「え、なんですか、この辺のお店ですか?」

男「ああ」

女「いつもよく行くお店なんですよね?」

男「ああ」

女「昼間に?」

男「夜にも行くよ」



 420 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/18(月) 20:20:37 ID:AQ9IbYpM [4/13]

女「ん、なにかサービスを受ける店ですか?」

女「それとも、なにかを買う店ですか?」

男「買う店だな」

女「服屋とか?」

男「違う」

女「食べ物屋?」

男「違う」

女「雑貨屋?」

男「違うけど、近いかもしれん」



 421 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/18(月) 20:27:05 ID:AQ9IbYpM [5/13]

女「本屋?」

男「いや」

女「そこで買ったものは、今この部屋に残ってますか?」

男「……あんまり残ってねえなあ」

女「じゃあ消耗品ですね?」

男「まあ、そうかな」

女「んー、所長がよく行くお店……か」



 422 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/18(月) 20:33:31 ID:AQ9IbYpM [6/13]

男「『店』というのも、少し微妙な感じではあるが」

女「スーパーとか?」

男「違う」

女「あ、コンビニ?」

男「そ、正解」

女「所長コンビニよく行きますもんねえ」

男「ああ、便利だからな」

女「高くないですか? お金もったいなくないですか?」

男「便利だからな」



 423 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/18(月) 20:41:12 ID:AQ9IbYpM [7/13]

女「お菓子とかお酒とかよく買ってますよね」

男「ああ」

女「で、そこで、店員さんに覚えられてるんですか?」

男「ああ、もう顔なじみだな」

女「女性ですか?」

男「……いや」

女「今の間はなんですか?」

男「……別に」

女「……」



 424 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/18(月) 20:48:25 ID:AQ9IbYpM [8/13]

女「知ってます? コンビニの店員って、客にあだ名つけたりするんですよ」

男「え」

女「いつも何時に来るとか、いつもこれ買うとか、そういう情報で」

女「『丑三つ時のからあげ野郎』とか『早朝のハゲ』とか『中年ジャンプ』とか」

男「怖い」

女「所長はなんて呼ばれてるでしょうかねえ」

男「……」

女「で、そのコンビニで、店員さんが気を利かせてくれたのにそれが腹立たしい、と」

男「ああ」



 425 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/18(月) 21:00:54 ID:AQ9IbYpM [9/13]

女「いいあだ名をつけてくれたのに、気に入らなかったとか?」

男「勝手につけてるあだ名を客にバラしたら駄目だろう」

女「そっか」

男「ま、他の客にはやらないかもしれんな」

女「相手が所長だったから、気を利かせたんですか?」

男「ああ」

女「所長がいつも自分でやっていることなのに、店員さんが代わりにやってくれた?」

男「そういうことだ」



 426 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/18(月) 21:09:08 ID:AQ9IbYpM [10/13]

女「レシートを勝手に捨てておいてくれた?」

男「いや、違う」

女「それは割とみんなやってることか」

男「そうだろうなあ」

女「ていうか所長、財布にレシート溜まるタイプですよね」

男「そうかな」

女「お札よりもレシートが多いタイプですよね」

男「……否定できんな」



 427 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/18(月) 21:33:03 ID:AQ9IbYpM [11/13]

女「袋一つでいいんでしたよねー、とか言ってアイスとホットコーヒーを同じ袋に入れた」

男「もっとキレるわ」

女「袋いらないんでしたよねー、とか言ってエロ本にシール貼った?」

男「その場で暴れるわ」

男「いやちょっと待て、エロ本なんか買ってないから」

女「これどうせすぐ食べますよね? とか言って賞味期限ぎりぎりの物と交換された」

男「そんな店員がいたらそんなコンビニは二度と行かねえよ」



 428 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/18(月) 21:41:14 ID:AQ9IbYpM [12/13]

女「うーん、難しいですね」

女「所長、もしコンビニ店員にあだ名をつけられているとしたら、なんですか?」

男「それがわかれば、おれの怒っている理由がわかるかもしれないな」

女「え、そうなんですか?」

男「たぶんつけるとしたら……『偽善君』……かな」

女「あー」

男「……」

女「あー、それは、怒りますね」

男「だろう?」



 429 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/08/18(月) 21:45:42 ID:AQ9IbYpM [13/13]

というお話です
さて、所長はコンビニで何を経験したのでしょうか
まあ、事件というほどのものではありませんが……



 430 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/08/18(月) 22:02:24 ID:6umBsUzM

これは所長怒ってもいい



 432 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/08/18(月) 23:11:39 ID:zpNyi6EM

これは怒るわ



 433 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/19(火) 19:44:10 ID:97KEmeOw [1/7]

【解答編:いつものお客さん】



女「所長、そんなにお金に余裕あるんですか」

男「端数だけだよ」

女「あんまり仕事来ないのに」

女「切り詰めないと生活大変なんじゃ?」

男「そんな心配はいらん」

女「でも、募金って、財布に余裕がないとしちゃだめですよう」

男「いいんだよ、気持ちだよ気持ち、こういうのは」



 434 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/19(火) 19:53:34 ID:97KEmeOw [2/7]

女「いっつも募金してるんですか?」

男「おつりが端数のときは、まあ、だいたいは」

女「自分でも偽善だと思ってるんですか?」

男「そうだな、自己満足の偽善だろうな」

女「それを店員さんが勝手に募金箱に入れちゃったんですね?」

男「ああ、ついやっちゃった、みたいな微妙な顔してたけどな」

女「気まずいですねえ」

男「まあおれもその場では、平然としてたんだが」

女「やせ我慢ですね」

男「あとで思い返すとやっぱり腹が立ってな」



 435 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/19(火) 20:11:03 ID:97KEmeOw [3/7]

女「いつもぴったり払えるようにしておけばそんなトラブルは回避できるのでは?」

男「いつもぴったり?」

女「500円玉、100円玉4枚、50円玉、10円玉4枚、5円玉、1円玉4枚」

女「それで999円を常に小銭入れに入れておけば、どんな額でも払えますよ」

男「面倒くさい」

女「ま、いつも財布がレシートでいっぱいの所長には無理ですよね」

男「なんか腹立つな、それ」

男「なに、お前はいつもそんな細かい小銭を財布に入れてるの?」

女「いえ、私はそんな面倒くさいことしてません」

男「……あそう」



 436 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/19(火) 20:22:19 ID:97KEmeOw [4/7]

女「いいじゃないですか、やらない善よりやる偽善、とも言いますし」

男「間でピンハネしてる守銭奴もいるらしいが」

女「そ、そんな団体には募金しちゃだめですよ」

男「ちゃんと相手は選んでるよ」

女「人を思いやれるのが所長のいいところ、です」

男「悪人には付け込まれやすいけどな」

女「それは、私が守ります」



 437 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/19(火) 20:32:38 ID:97KEmeOw [5/7]

男「守る? どうやって?」

女「知りませんでした? 私、人の嘘を見抜くのが得意なんです」

男「へえ」

女「本当かよ、って顔ですね?」

男「む」

女「私、詐欺とかそういうのにかかったことありませんし、いい友達にも恵まれてますし」

男「ふうん」



 438 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/19(火) 20:47:06 ID:97KEmeOw [6/7]

男「あ、そういえば、おれ、結婚することになったんだが」

女「ええええ!? うそ!? え!? 誰と!?」

女「私というものがありながらなんという裏切り! 許すまじ!」

女「子宝に恵まれなくなる呪いを三重か四重にかけて―――」

男「嘘だよ」

女「あ……」

男「で、なにが得意なんだっけ?」

女「あ、えっと、所長相手には通用しないみたいで」

男「あそう」

男「ていうか、女子高生が『許すまじ』とか言うの、初めて聞いたわ」

女「えへへ」



 441 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/08/20(水) 01:19:49 ID:qJHVkTjM

乙です
このSSがずっと続く呪いを三重にかけておきますね



 442 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/23(土) 00:00:27 ID:C/RH64HY

乙!
次いつ来るか楽しみにしてる



 443 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/24(日) 20:29:38 ID:nmMkLAcU [1/14]

【出題編:可愛い坊ちゃんね】



女「あー、子どもが欲しいですねえ」

男「ぶふぉっ」ビチャビチャ

女「あらあら、なにやってるんですか汚い」フキフキ

女「そういう意味じゃありませんから、ご心配なく」

男「そ、そうか」

女「いやもちろんそういう意味でも言いたいですけどね?」

男「そ、そうか」

女「小さい子を連れているお母さんを公園で見まして」

男「欲しくなったの?」

女「はい、子ども欲しくなりました」



 444 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/24(日) 20:35:45 ID:nmMkLAcU [2/14]

男「子どもねえ」

女「所長は子どもが巻き込まれた犯罪とかも見てきたんでしょうか?」

男「まあ、それなりにな」

女「私が聞いても問題ない範囲の事件を教えてほしいです」

男「んん、ちょっとややこしい事件なんだが、じゃあ、一つ」

女「はい」

男「ある若い母親が、子どもを連れて近所を歩いていたんだ」

女「ほう」

男「引っ越しの挨拶なんかもしながら」

女「はあ、引っ越してきたばかりだったんですか」



 445 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/24(日) 20:53:29 ID:nmMkLAcU [3/14]

男「近所の人は『あら、可愛いお子さんですね』と言う」

男「母親は嬉しそうに頷いている」

男「ところがある人が声をかけると、母親は子どもを連れて慌てて逃げ帰ってしまったんだ」

女「なんと言われたんですか?」

男「『可愛い坊ちゃんね』と」

女「それがなにか問題が?」

男「その母親は、なぜそれを聞いて逃げ帰ってしまったんだろうか」

女「ふうむ」



 446 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/24(日) 21:02:14 ID:nmMkLAcU [4/14]

女「その母親っていうのは、本当の母親ですか?」

男「ああ、それについては間違いない」

女「母親は、なにか後ろめたいことがあったから逃げたんですか?」

男「いや、少し違うかな」

女「『可愛い坊ちゃんね』と言ったのは、女性?」

男「ああ」

女「若い女性?」

男「いや、この母親よりは上だ」

男「30代か40代だろう、という証言だ」



 447 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/24(日) 21:10:06 ID:nmMkLAcU [5/14]

女「その子どもっていうのは、小さい子ですか?」

男「ああ、幼稚園入る前くらいだったかな」

女「その子の反応は?」

男「その子自体は、まだ自分の事態を把握できていなかっただろうな」

女「母親が逃げ帰る理由も?」

男「ああ」

女「母親はなにかを恐れていましたか?」

男「ああ」

女「それは、その女性に?」

男「……そうだ」



 448 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/24(日) 21:26:56 ID:nmMkLAcU [6/14]

女「その女性は、なにか奇抜な格好をしていましたか?」

男「いや、見た目ごく普通の女性だったそうだ」

女「……所長は、その母親からの相談を受けた立場でしょうか?」

男「ああ、随分前の事件だが」

女「解決は見たのですか?」

男「いや、単純な事件じゃなかったからね」

男「というかそもそも、この部分は事件として立証できない」

女「まあ……確かに」

男「なぜこの母親が恐怖を感じたかという点がポイントだ」



 449 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/24(日) 21:42:33 ID:nmMkLAcU [7/14]

女「この声をかけてきた女性は、なにかの事件に関わっていますか?」

男「……その立証はできない」

男「ただ、母親はそう感じたんだ」

女「あ、なるほど」

女「真実はさておいて、母親がこの女性に危険を感じたわけですね?」

男「ああ」

女「それは、格好ではなくて、なにに感じたのかが重要ですか?」

男「そうだな」



 450 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/24(日) 21:54:03 ID:nmMkLAcU [8/14]

女「格好でないとしたら、じゃあ、言葉ですよね」

女「えっと、『可愛い坊ちゃんね』でしたっけ」

男「ああ」

女「えっと、その子は確かに男の子でしたか?」

男「……そうだ」

女「じゃあ、なにも問題はないわけで……」

男「他の人が見た時、そうは声をかけなかった」

男「例えば、『可愛いお子さんですね』」

男「例えば……『可愛いお嬢さんですね』」

女「え!?」



 451 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/24(日) 22:02:13 ID:nmMkLAcU [9/14]

女「え、えっと、その子は女の子の格好をしていたんですか?」

男「ああ」

女「本当は男の子なのに?」

男「ああ」

女「時代を先取りしていますね」

男「いや、ちょっと」

女「その女性は、その子が本当は男の子だということを見抜いたんですね?」

男「ああ、そうだろうな」



 452 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/24(日) 22:14:14 ID:nmMkLAcU [10/14]

女「てことは、母親は、何らかの理由で子どもに女の子の格好をさせていた」

男「ああ」

女「そしてそれを隠して暮らそうとしていた?」

男「そうそう、近づいてきているぞ」

女「だけど、初見でそれを見抜いた女性がいたから、恐れた」

男「そうだ」

女「……ちょっと不思議な性質の家族ってことですか?」

男「それだけじゃない」

男「この家族は引っ越してきたばかり、と言ったな」

女「あ、はい」



 453 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/24(日) 22:22:13 ID:nmMkLAcU [11/14]

男「引っ越す前は、そんな女装なんてさせていなかった」

女「……」

女「前の家で、なにかがあったんですね?」

男「そうだ」

女「そのせいで引っ越して家を変えて、女の子として育てようとした……」

女「なのにそれがバレたから恐ろしくなった……」

男「前の街で巻き込まれた事件のせいだ」

男「それがなければ、静かに平和に暮らせたはずなんだ」



 454 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/24(日) 22:33:37 ID:nmMkLAcU [12/14]

女「前の家で起こった事件というのは、その子が男の子だから起こった事件だったんですか?」

男「普通なら、いや普通という言い方は違うかもしれないが、男でも女でも関係なかっただろう」

男「ただ今回の件に関しては、男の子であったことが不運だったかもしれないな」

女「なるほど」

女「子どもであることは関係ありましたか?」

男「ああ、関係大アリだった」

女「その事件の犯人は、捕まっているんですか?」

男「ああ、犯人は、一応な」



 455 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/24(日) 22:44:23 ID:nmMkLAcU [13/14]

女「じゃあ心配ないんじゃないですか?」

男「実行犯は逮捕されたんだが……」

女「……」

女「犯人は逮捕されているけど……って」

女「じゃあまだ、どこかに残っているかもしれないんですね?」

女「え、じゃあ、母親はその声をかけてきた女性が、もしかして『それ』だと思ったんですか?」

男「そうだ」

女「それは確かに……怖くもなりますよね……」



 457 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/08/25(月) 00:29:05 ID:tgfdsSRc

母親に女装を強いられるといえば千早お姉さま...

それはともかく、ショタコンもロリコンも程度というのは大事だな

節度を守ってたのしいHENTAIライフを




 458 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/08/25(月) 12:22:47 ID:gFehUa.c

子供が巻き込まれる事件と言えば痴漢とか?
ショタ好きの痴漢(痴女?)にでも襲われたのかな
でも女装させたらまた別の変態に目をつけられそうだ



 459 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/25(月) 21:02:30 ID:e6lom.4o [1/7]

【解答編:可愛い坊ちゃんね】



女「その子は過去に誘拐されたことがあるんですね?」

男「ああ」

女「しかも、身代金目的ではない誘拐」

女「つまり、人身売買のような」

男「そうだ、危うくその被害に遭うところだったんだ」

女「でもその犯人は捕まった」

女「売られることはなかった、ということですね」



 460 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/25(月) 21:17:20 ID:e6lom.4o [2/7]

男「そうだ、しかし……」

女「しかし、無差別に売ろうとしていたのではなく、すでに顧客がいた」

女「その子自体をターゲットにしている顧客が」

男「そうだ」

男「逮捕した誘拐の犯人から、すべての客を辿ることはできなかったんだ」

女「怖いですね」

男「ああ、つまり人を買おうとしている人間が、まだどこかをうろついているということだからな」

女「他にも誘拐していたんですか?」

男「何人かのうちの一人だったようだ」

女「じゃあ、組織は今も……?」

男「一部、残っているようだ」

女「……」



 461 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/25(月) 21:33:19 ID:e6lom.4o [3/7]

女「それで、『小さい男の子』だったために狙われたことが分かった母親は、女の子として生活させた」

男「まあ、偽装だな」

男「ちょっと行き過ぎた対応だとも思ったが」

女「いえいえ、また誘拐されるかも、と思えばこれくらいしますよ、きっと」

男「で、町を離れて安心したと思ったら……」

女「『可愛い坊ちゃんね』と」

女「そりゃあ恐怖でしょうね」

男「せっかく逃げたつもりが、また狙われると思っただろうな」

女「本当にその女性が顧客だったんですか?」

男「いいや、その証拠は何一つないんだ」



 462 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/25(月) 21:43:08 ID:e6lom.4o [4/7]

女「勘違いの可能性もあると?」

男「そうだな」

女「それでも、母親は平常心ではいられないでしょうね」

男「ああ、かなり取り乱していたよ」

女「それで、どうなったんですか?」

男「おれの知っているある街で生活させてある」

女「ある街?」

男「経歴もなにもかも、一切捨ててリスタートできる街だ」

女「そんなところがあるんですか?」

男「ああ、ちょっとツテでな」



 463 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/25(月) 21:53:21 ID:e6lom.4o [5/7]

女「その顧客っていうのは……」

男「ん?」

女「本当の顧客は、子どもができずに悩んでいた人でしょうか」

男「金持ちの道楽かもしれんがな」

女「子ども欲しさに、依頼してしまったんでしょうね」

男「今は顔を合わせずに簡単に依頼ができる」

男「犯罪が闇に隠れて、横行している」

女「怖いですね」

男「それを解消していくのが、おれたちの仕事だ」

女「はい」



 464 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/25(月) 22:02:25 ID:e6lom.4o [6/7]

男「で、なんだっけ」

女「?」

男「公園で子どもを見て、子どもが欲しくなったんだっけ?」

女「あ……」

男「口には少々気をつけるように」

男「それを聞いて、恐怖を感じる人間がいるってこと、忘れるなよ」

女「……はい、気をつけます」



 465 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/08/25(月) 22:07:11 ID:e6lom.4o [7/7]

というお話でした
ショタコンとロリコンには気をつけましょう



 466 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/08/25(月) 22:43:46 ID:DIve0XWQ

>>465


大事な所そこかよww



 467 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/08/26(火) 08:00:23 ID:VZcR7qR6

乙でした
今回は当たってた
次も楽しみです



 468 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2014/08/26(火) 12:22:42 ID:ZM/JGWUk

おつ!
オチがわりとダークなのに作者の締めがww



 469 以下、名無しが深夜にお送りします  2014/08/26(火) 16:03:44 ID:cM.jNM.U

とても面白い!

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モルフェ

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SS保管庫です。
ここでのSSとは、主に既存のキャラを使わないショートストーリー、ショートショートのことです。
タイトルに歌詞を引用することが多いですが、歌の世界をそのままストーリーにしているという訳ではありません。

個人的なお話はこちら
tv_pops★yahoo.co.jp

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