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ショートショート 10

僕にしか見えない
参考曲:なし



僕にしか見えない女の子がいる。
今日も部屋の片隅で窓の外を眺めながら、雲の数を数えている。

「外はいい天気だね」

「ええ、そうね。ピクニックに行きたい気分」

ニコッと、首をかしげて笑う。
話しかけると応えてくれる、僕の大切な友だち。
ふと気づくと、木の上や屋根の上にいたり、ベッドの下に隠れていたりする。
無邪気で奔放で、笑顔が素敵で、僕にはないものをたくさん持っている。
僕は彼女と話をするのが大好きだ。



「ねえ、誰と話しているの?」

不意に話しかけられて、僕はびっくりする。

「また、ナタリーとお話をしているの?」

ナタリー、そう、僕が彼女につけた名前だ。
いつか見た映画で言っていた。
多感な時期には、自分にしか見えない友達がいると。
僕はその映画を真似して、彼女に名前をつけたのだった。

「うん、でも、ナタリーのことは内緒だよ」

「わかってるよ、僕には見えないんだから」



ガチャリと部屋のドアが開けられ、彼のママが入ってきた。
掃除機を手にしている。この部屋の掃除をするのだろう。

「なにか話し声が聞こえた気がしたけれど、あなた、またジョージとお話をしているの?」

「ううん、内緒だよ」

彼はそう言ってごまかす。
ジョージ、そう、それは僕の名前だったような気がする。
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テーマ : 雑記
ジャンル : 日記

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モルフェ

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ここでのSSとは、主に既存のキャラを使わないショートストーリー、ショートショートのことです。
タイトルに歌詞を引用することが多いですが、歌の世界をそのままストーリーにしているという訳ではありません。

個人的なお話はこちら
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