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ショートショート 8

パパはメジャーリーガー
参考曲:なし

僕は河原で素振りをしている。
パパみたいなメジャーリーガーになるのが夢さ。
だけど僕にはあまり才能はないみたい。
まだスタメンはおろか、代打ですら使ってもらえない。

「なんてスイングだ、もっと鋭く振るんだ!」
知らないおじさんが野次を飛ばす。
「違う違う、もっと腋をしめて振らなきゃあ」
また、知らないおじさんが怒鳴る。
「トップの位置に来るのが遅い! それじゃあ引っ張れないぞ!」
「おたく投手出身でしょ、ここはアッパースイング気味にするべきだ」

ガヤガヤとおじさんたちが4人で会話をしている。
どうやらどこかの球団のスカウトやら関係者らしい。
しかし、うるさい。僕のことなんかほっといてくれ。

「坊主、もっと腋をしめてだな」
「違う違う、いいか、強打者になりたけりゃバットをもっと長く持って」
「ああもう、トップの位置をもっと前に!」
「踏ん張りがきいてないぞ!」

「ああもう! うるさい! いいよ、パパに教えてもらうから!」

僕は我慢ができなくなって、そう叫んだ。

「パパ?」
「そう、パパさ。ドルフィンズの2冠王だよ」
「まさか、エフ選手の息子か!?」
「そうだよ」

パパは今年引退が決まっているけれど、弱小ドルフィンズでただ一人チームを引っ張り
首位打者と打点王に輝いた、スーパースターなんだ。

「そうかあ、エフ選手の息子かあ」
「パパみたいな強打者になれるといいなあ」

おじさんたちは急に愛想がよくなった。
ふん、パパの名前を出したら急に黙ってさ。呆れちゃうね。

それから僕は、ずっとパパと一緒に野球ができるようになった。
今までじゃ考えられない。
たまの休日しか一緒に野球ができなかったのに、夢みたいだ。
パパは残念がってたけど、僕は嬉しい。
なぜか、打撃コーチとしてのオファーが殺到していたのに、嘘のようにオファーが無くなったもんだから。
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テーマ : 雑記
ジャンル : 日記

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モルフェ

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ここでのSSとは、主に既存のキャラを使わないショートストーリー、ショートショートのことです。
タイトルに歌詞を引用することが多いですが、歌の世界をそのままストーリーにしているという訳ではありません。

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